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Dell PowerEdge Diagnostics の使用

Dell™ PowerEdge™ Diagnostics バージョン 2.9 ユーザーズガイド

  GUI の使用

  コマンドラインインタフェースの使用


Dell™ PowerEdge™ Diagnostics には、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)またはコマンドラインインタフェース(CLI)からアクセスできます。本項では、両方のインタフェースについて説明します。


GUI の使用

PowerEdge Diagnostics を GUI モードで起動すると、列挙動作が完了するまで、デバイス検出の進行状況を示すスプラッシュ画面が表示されます。スプラッシュ画面には、PowerEdge Diagnostics の実行に関連する重要な情報も表示されます。デバイスの検出または列挙動作は、アプリケーションの起動時にのみ実行されます。システムハードウェアを変更した場合、アプリケーションを再起動してシステム上のデバイスを再列挙してください。

注意:列挙操作の実行中に、Red Hat® Enterprise Linux® システムまたは SUSE® Linux Enterprise Server から USB または CD/DVD デバイスを接続したり取り外したりすると、システムが停止する可能性があります。
メモ:システムによる USB コントローラの検出が失敗した場合、BIOS 内で USB コントローラが有効にされており、USB コントローラのサポートが BIOS 設定メニュー内で ON with BIOS support に設定されていることを確認してください。

メニューオプション

ファイルメニューには、次のメニューオプションが含まれます。

メモ:設定の保存 オプションは、PowerEdge Diagnostics の GUI バージョンでのみ使用できます。
メモ:結果の保存オプションは、PowerEdge Diagnostics の GUI バージョンでのみ使用できます。

ヘルプメニューには、次のメニューオプションが含まれます。

Diagnostics のインタフェース

PowerEdge Diagnostics の GUI は、次の 2 つのセクションで構成されます。

診断選択

デバイスとテストの表示方法を選択および整理するには、このセクションを使用します。

選択オプション

テストおよび検知されたデバイスの表示方法を整理するには、このリストボックスを使用します。このリストボックスから、3 つのオプションのいずれかを選択できます。

接続別グループ

実行するテストの選択 ペインを整理してツリー表示するには、このオプションを使用します。この場合、接続がノードとして表示され、該当するデバイスとテストがその下にリスト表示されます。

デバイス別グループ

実行するテストの選択 ペインを整理してツリー表示するには、このオプションを使用します。この場合、デバイスがノードとして表示され、各デバイスに該当するテストがその下にリスト表示されます。デバイスがグレーで表示されている場合、そのデバイスに使用できるテストは存在しません。ただし、そのデバイスの設定詳細は表示できます。

テスト別グループ

実行するテストの選択 ペインを整理してツリー表示するには、このオプションを使用します。この場合、テストがノードとして表示され、該当するデバイスがその下にリスト表示されます。

次の表では、実行するテストの選択 ペイン内のアイコンについて説明します。

デバイスを示します。

非重要エラーまたは警告が発生しているデバイスを示します。

テストを示します。

非重要エラーまたは警告が発生しているテストを示します。マウスを配置すると、テストの警告メッセージが表示されます。

すべて選択:このボタンをクリックすると、実行するテストの選択 ペインに表示されるすべてのデバイスとテストが選択されます。

すべて削除:このボタンをクリックすると、実行するテストの選択 ペインで選択したデバイスとテストがすべて削除されます。

実行するテストの選択

実行するデバイスとテストを選択するには、このセクションを使用します。このセクションは、選択オプション リストボックス内で選択したオプションに従って整理されます。

デバイス別グループで表示する場合、

テスト別グループで表示する場合、

メモ:診断情報 セクション内でデバイスを選択し、対応する設定詳細を設定タブ内でハイライト表示することもできます。

診断情報

システム設定およびオペレーション状態の情報を表示するには、このセクションを使用します。さらに、選択したテストを実行し、これらのテスト結果を表示することもできます。

設定

検知されたデバイスのオペレーション状態とそれらの設定詳細を表示するには、このタブを使用します。デバイスの設定詳細を表示するには、実行するテストの選択 ペインからデバイスを選択します。選択したデバイスの設定詳細は、このページでハイライトされ、次の見出しの下にリスト表示されます。

デバイス名:デバイスの名前です。

デバイス属性:デバイスの属性をリスト表示します。デバイスの属性は以下のように示されます。

状態

デバイスのオペレーション状態を明示します。

説明

簡潔な説明を明示します。

クラス

デバイスが属するクラスを明示します。例えば、デバイス COM1 は「シリアルポート」クラスに属します。

場所

システム内のデバイスの場所を明示します。例えば、システム基板が挙げられます。

追加情報

その他の追加情報を明示します。例えば、デバイスがシステム基板に内蔵されている場合、このフィールドには 内蔵 という値が表示されます。

値:デバイスの各属性に対応する値を明示します。

その他のハードウェア情報:デバイスの追加ハードウェア情報が 設定 タブに表示されます。追加ハードウェアが使用可能な場合、情報アイコン 設定 タブ内のデバイス名の隣に表示されます。行をダブルクリックすると、デバイスのその他のハードウェア情報が表示されます。詳細については、「付録」を参照してください。

選択したテスト

実行するテストの選択 ペインで選択したテストを実行するには、このタブを使用します。このタブには、次のセクションが含まれます。

選択した診断テスト:このリストボックスには、実行するテストの選択 ペインで選択したすべてのテストが表示されます。

診断オプション:選択したテストを実行するには、選択したテスト タブのこのセクションを使用します。このセクションには、次のコントロールが含まれます。

テストを実行する

選択したテストを開始します。複数のテストを同時に実行できます。

クイックテスト

特定のテストを短時間で終了するアルゴリズムを使用します。クイックテスト モードでエラーがレポートされなくても、テストされたハードウェアに問題があると思われる場合は、クイックテスト モードをクリア(選択解除)して、再度同じテストを実行することをお勧めします。

パスの数

選択したテストの反復回数を明示します。最小値は 1 で、最大値は 20 です。

メモ:状態 タブ内の特定のテストの行をダブルクリックすると、詳細情報が表示されます。

状態

現在実行中のテストまたはすでに実行が完了したテストの状態を表示するには、このタブを使用します。経過時間全体の進行状況 は、状態 の一部として表示されます。経過時間 には、hh:mm:ss のフォーマットで、テストのジョブグループが実行開始されてから経過した時間が表示されます。全体の進行状況 は、現在のジョブグループ内にあるすべてのテストの累積された進行状況を示します。

各テストの状態は、次の列の見出しに表示されます。

完了

テストが完了したことを示します。

一時停止

テストが一時停止されたことを示します。テストは手動でのみ一時停止することができます。一部の診断テストは、一時停止 機能をサポートしません。

中止

テストが中止されたことを示します。テストは手動でのみ中止することができます。一部の診断テストは、中止 機能をサポートしません。

実行

テストが実行されていることを示します。

準備完了

テストは開始されていませんが、実行の準備はできています。準備完了 状況にあるテストは、いつでも中止できます。

次の表では、様々なアイコンおよびテスト結果インジケータの意味を説明します。

テストは正常に完了しました。

テストは実行中です。

テストは中止されました。

テストの実行中に非重要エラーが発生しました。

テストに失敗しました。

テストは一時停止されました。

結果

実行されたテストの結果の他に、各テストの結果に関する簡潔な説明も表示するには、このタブを使用します。

このタブの 結果 列には、テスト結果の簡潔な説明が表示されます。Iさらに、行内の任意の場所をダブルクリックすると、対応する結果メッセージが表示されます。例えば、テストに失敗した場合、結果 列には、発生した不具合と必要な処置が表示されます。

右クリックすると、削除 / 完了したテストをすべて削除メニューが開きます。個別のテストのテスト結果を削除するには、削除を選択します。状態 タブおよび 結果 タブから完了したテストのテスト結果をすべて削除するには、完了したテストをすべて削除 を選択します。


コマンドラインインタフェースの使用

CLI モードでアプリケーションを実行するには、x/oldiags/bin から pediags を実行します。ここで、x はインストールディレクトリです。Windows オペレーティングシステムでは、スタート® プログラム® PowerEdge Diagnostics 2.9® PowerEdge Diagnostics CLI をクリックして、アプリケーションを CLI モードで実行することもできます。

注意:列挙動作の進行中に、Red Hat Enterprise Linux システムまたは SUSE Linux Enterprise Server から USB または CD/DVD デバイスを接続したり、取り外したりすると、システムが停止する可能性があります。

Primary CLI コマンド

次のコマンドは、PowerEdge Diagnostics の機能を実行します。

このコマンドは、CLI コマンドのための短いテキストヘルプを表示します。

このコマンドは、使用可能なすべてのデバイスクラスとテストをリスト表示します。

このコマンドは、指定された <デバイスクラス> のためのテキストヘルプを表示します。例えば、コマンド pediags modem --help を入力すると、モデムとしてリストされたデバイスに関するヘルプ情報およびそれらのモデムに関連のある異なるテストが表示されます。<デバイスクラス> は、ネットワークや cddvd などのデバイスのパッケージ名です。

このコマンドは、デバイスクラス、テスト、またはデバイスクラスとテストの両方のリストを表示します。デフォルトオプションは all で、デバイスクラスとテストの両方が表示されます。インデックスオプションを指定し、出力を表示するフォーマットを選択できます。これらのパラメータは上にリストされた順序に従う必要があり、フォーマットオプションは常に最後に使用されるパラメータです。

例えば、コマンド pediags network --show test test-index=1,2,3 fmt=tbl を入力すると、インデックス番号が 1、2、および 3 であるテストが表形式で表示されます。

コマンド pediags network --show device device-index=1,2,3 fmt=tbl を入力すると、インデックス番号が 1、2、および 3 であるデバイスクラスが表形式で表示されます。

追加デバイス情報が存在する場合、pediags <デバイスクラス> --show device details=true を使用すると、それらの情報が表示されます。

details=true オプションは、「--show device」でのみ使用できます。例えば、SCSI デバイスに関するその他のハードウェア情報を表示するには、pediags Scsidevdiag --show device details=true と入力します。

このコマンドは、選択したデバイスクラスに対するテストを実行します。インデックスオプションとテスト設定を指定し、結果を表示するフォーマットを選択できます。これらのパラメータは上にリストされた順序に従う必要があり、フォーマットオプションは常に最後に使用されるパラメータです。

<テスト設定> パラメータ内で quicktesttrue または false に設定し、選択したテストの反復回数またはパスを指定できます。passes は、実行するパスの数を明示します。

例えば、コマンド pediags network --run test-index=1,2,3 quicktest=true passes=6 fmt=tbl を実行すると、インデックス番号が 1、2、および 3 であるテストがネットワークデバイスクラス上で 6 回実行されます。結果は、表形式で表示されます。

このコマンドを使用すると、指定された期間において診断テストを実行できます。例えば、pediags scsidevdiag --run device-index=1 test-index=1 time=30 と入力すると、デバイスのインデックスが 1 である SCSI デバイス上で、インデックスが 1 である診断テストが 30 分間実行されます。72 時間または 999 パスのどちらかに達すると、テストの実行が停止します。

メモ:passes パラメータの実行時間は、3 日(72 時間)に制限されています。サポートされる反復回数の最小値は 1 で、最大値は 999 です。
メモ:time パラメータは常に分で指定します。また、time パラメータは --run パラメータの後に入力します。
メモ:2 つの異なるコンソールから同じデバイスクラスに対して pediags コマンドを同時に実行すると、メッセージ:System resources may have already been used by another diagnostics instance(他の診断インスタンスがシステムリソースをすでに使用している可能性があります)が表示されます

CLI モードで PowerEdge Diagnostics を中止するには、<Ctrl><C> を使用します。

<Ctrl><C> を使用して --show コマンドに対する中止を実行しても、処置は中止されません。テストの実行中、実行シーケンスの任意の時点において <Ctrl><C> を使用し、テストを停止できます。ただし、出力が表示されず、空白のメッセージでテストが終了する場合があります。診断テストが開始する前に pediags コマンドの実行に割り込みが発生した場合に、この状況が発生することがあります。中止 機能がテストによってサポートされている場合、ユーザーがすでに開始されたテストを中止すると、Test was aborted by the user(テストはユーザーによって中止されました) の結果イベントが発生し、テストが中止されます。複数のパスが設定されている場合、中止 がテストによってサポートされていても、Test was aborted by the user(テストはユーザーによって中止されました) の結果イベントが発生せず、テストも中止されない場合があります。あるパスから他のパスへの移行中に複数のパステストが中止された場合に、この状況が発生することがあります。

中止 機能をサポートしないテストは、常に最後まで実行されます。中止一時停止、およびクイックテスト 機能の一部またはすべてをサポートするテストの全リストについては、表 4-1 を参照してください。

CLI でのスクリプト編集

PowerEdge Diagnostics CLI では、システム管理者がオペレーティングシステムによって実行されるバッチプログラムまたはスクリプトを作成できます。多数のシステムを使用する企業では、システム管理者がシステムコンポーネントの正常性を判別するための診断テストを実行するスクリプトを作成できます。

多くの場合において、CLI では、詳細に定義されたタスクを使用してシステムに関する情報を迅速に取得できます。オペレーティングシステムのリダイレクト機能を使用して、診断プログラムの出力をファイルにリダイレクトすることができます。

また、スクリプトの作成時に、次の表で説明する終了コードも使用できます。

0

テストには、パスの結果が含まれます。

1

テストには、警告の結果が含まれます。

2

テストには、失敗した結果が含まれます。

3

依存性またはランタイムの不具合のため、アプリケーションに失敗しました。

終了コード 01および 2 は、(複数または単一のパスに関係なく)テストの実行に対してのみ適用できます。終了コードは、実行されたすべてのテストの集合体の状態です。例えば、20 個のテストのうち、あるテストの結果が警告、別のテストの結果が失敗、および他のすべてのテストが成功した場合、最終の終了コードは 2 になります。失敗した結果の終了コードは、警告の結果の終了コードに優先します。

Diagnostics のスケジュール

オペレーティングシステムのタスクスケジュール機能を使用すると、システム上で診断テストを実行するよう PowerEdge Diagnostics をスケジュールできます。


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